日本史の1年間の勉強法です
大学入試で地歴・公民の学習は後回しにされる傾向があります。「英語や数学などの主要科目が遅れていて、日本史まで手が回らない」「日本史は夏以降に本格的に勉強すれば間に合う!」などなど…。
いずれにせよ、本当にそれでよいのでしょうか。少なくとも、受験学年となった4月からは計画的に日本史も勉強しましょう。
1年間の流れ
まずは1年間の流れを考えてみましょう(とりあえず、学校や塾・予備校の授業進度は考えないことにします)。
4月~7月上旬 前期/通史を終わらせる
- 主にインプット→知識を入れる
- 原始~近現代まで一通り、通史を終わらせる
まず、4月から7月上旬にかけて、インプット(知識を入れる作業)を中心に進めてください。原始から近現代まで、政治・外交・経済・文化のすべての分野にわたって通史を頭に入れましょう。
「知識を完璧にしよう!」などと考える必要はありません。最初から最後まで見通すことが目的です。ある程度は、歴史用語を覚える努力も必要です。
7月中旬~8月 夏期講習/入試問題を扱った問題集を解く
- 夏期講習では、大学別・試験タイプ別の講座を受講
- 入試問題を扱った市販の問題集などを解く
次に7月中旬から8月にかけて、塾や予備校では夏期講習期間になります。近年は、高校でも夏期講習をやっているようです。この間に大学別・試験タイプ別の対策講座を受講して9月以降、入試までの学習の見通しを立てましょう。
センター試験のようなマーク式の問題、国公立二次の論述問題など、問題のタイプによって学習の方法は変わります。また、大学によっても入試問題に特色があります。夏期講習で自分の志望に該当する講座を受講して、以降の学習の方針を立てましょう。
余裕があれば、過去問演習の準備として、入試問題を中心に扱った基礎的な問題集を解いてみてもいいでしょう。7月までにインプットした知識を問題集で確認してみてください。
9月~12月上旬 後期/志望大学の過去問を解く
- 主にアウトプット→知識を使って問題を解く
- 志望大学の過去問を解く
9月以降はアウトプット(知識を使う作業)です。志望大学が絞れているなら、第1志望の大学の過去問演習を進めていきましょう。過去問を通じて、志望大学の問題に慣れるとともに、間違った問題を通じて弱点を補強します。
特に国公立二次の論述問題が必要な受験生は、早めに取り掛かる必要があります。知識があっても、すぐに答案が書けるわけではありません。それなりに時間がかかります。
また、センター試験で満点を狙う受験生は、過去問からどれだけ学べるかが勝負です!冬期講習が始まるまでに、ある程度仕上げておく必要があります。
12月中旬~2月 冬期講習/大学別・試験タイプ別の最終チェック
- 冬期講習では、知識や大学別・試験タイプ別の講座を受講して、最終チェック
最後に12月中旬からは冬期・直前講習になります。塾や予備校では、大学別・試験タイプ別に入試で出題されそうな内容を、実戦的に扱う講座が多くなります。実戦的な問題や内容を通じて、見落としている内容はないか、忘れている内容はないか、など最後の仕上げをします。この時期に扱う内容は、当日の入試で出題されることも多いです。
さいごに
以上が、1年間の理想的な流れです。これを見て「学校(塾・予備校)の通史の授業が終わっていないのに…」という受験生もいるでしょう。もちろん、わかっていてこの計画を出しています。
塾や予備校の講座だと、通史が終わるのは12月でしょう。高校によっては、1月のセンター試験ギリギリまでかけて通史をやると聞いたこともあります。それでは間に合わないのです。日本史に関しては自分で進める学習を先行させる必要があるのです。
ただし、学校や塾・予備校の授業がいらないと言っているのではありません。自分で先に進めておいて、後から授業をきいて知識を深め、定着させればよいのです。
これを参考に、1年間でどのように学習を進めるかを考えてみてください。あくまで一つのモデルなので、自分のペースに合わせてアレンジしてみてください。
各時期のポイントについては、参考書や問題集を紹介しながら、後に詳しく説明します。